森の住人

シルバニアがすきです。 ~Sylvanian families blog~

10月31日

今日目が覚めて、10月25日かぁと思った。

早く起きて朝の支度をしなくてはいけないけれど、お布団が心地よかったのでぼーっといろんなことを考えた。

そういえば小学生の頃は7時25分に登校してたな。

6時35分に起きて、あぁ今は何時かな。お母さんが起こしに来てくれることはないけれど、今日も同じように目が覚めてるな。

もうすぐ10月31日だな。

別に10月31日に何かあるわけでもないけれど、17歳のころの10月31日は私にとって特別な日になった。

別に何があったわけでもないけれど。

ただ17歳のころは今でいえば軽く鬱状態で(そんな言葉知らなかったけれど)とにかく毎日が苦痛だったけれど、「普通に生きてもいいのかもしれない」そんなことを思えて少し心が軽くなったのが10月31日なだけだっただけ。

誰かから何かをもらったとか、うれしい出来事があったわけじゃない。

ただ勝手に心の切り替わりがあった日。

それから数年間は私にとって10月31日は特別な日で、ただ無条件に嬉しかった。

別に何があるわけでもないんだけれど。

あれからもう何十年も経ってしまった今は何ともない日で、10月31日になにかいいことあるかな。ないなー。と愚痴るだけの日になっていた。

 

そんなことを思い出しながら、いつもどおり朝の支度をして出勤した。

いつもカーキ色のジャケットを着るけど、今日はなんとなく黒のジャケットにした。

 

いつも同じ時間の同じ車両に乗る。

この前落とし物をスルーしたおじさんはいなかった。

あの人は1回限りの人だったのかな。あ、この女の人はいつも見る顔の人だな、とか思いながら単語アプリに目を落とした。

 

降車駅についてビニール傘をもってるおじさんをみかけた。

”あれ、今日は雨なの?こんなに晴れてるのに?”

でも、傘持ってるのおじさんだけじゃん。と思ったけど、そういえば折りたたみ傘持ってた人もいたな。

と、思いながら歩いていたら、知り合いに似た人とすれ違った。

何が似てたんだろうな~と思いながら階段上って改札に向かったら、知ってる人を見かけた。

すごく驚いて柱の陰に隠れた。

2年位前にはよくみかけてたけど、なんでこの時間にここでみかけるんだろう?

私の見間違いかもしれない。と柱からこっそり見てみたら、やっぱり本人だった。

自分の行動が怪しくて笑った。何やってるんだろう。

服装はだいぶ違ったけれど、特徴的なカバンが同じだった。あと特徴的なことも変わってなかった。

見間違いじゃないのか・・・、なんで私隠れないといけないんだろう、なんでこの人ここにいるんだろう?

その人も傘を持ってた。やっぱり今日は雨が降るのかぁと思った。

黒いジャケットを着ていて私の今日の服と被ってるやん。素材もにてるし。

真似すんなよ。とか、よくわからないことを思いながら、よくわからない感情のまま、見つからないように距離をとって改札を抜けた。

 

そして今日もいつもと同じように帰宅した。心配していた雨は降らなかった。

今日は10月25日。

特に何があったわけでもないけれど、あるとすれば幽霊をみかけたような、あの人生きてたんだなーと思った。

10月31日まであと6日。

特に何があるわけでもないけれど、そろそろ他にもっと印象に残るような日が表れてもいいんじゃないか。

10月31日は使い古したよ。と感じた10月25日だった。