春は訪れます。
夏はやってきます。
秋は去っていきます。
冬は染まっていきます。
それぞれすっかり様変わりしています。
忘れられない出来事はどうしたらいいのでしょうか、
その答えは吸収して自分の中に取り込んでしまえばいいと気づいたのは春が訪れた時です。
私はあなたに返し忘れたものはあるでしょうか。
時々私は返してほしいと思っています。
どこかの誰かに、特定の誰かに、よくわからないまま渡したものも含めて。
きっとすべては返ってくると思っているけれど、返ってこないのは不満です。
なんだか我儘な気もするけど、それは本心です。
そして私の返し忘れがないか気がかりです。
傷つくのは自分が弱いからだと ”強くあれ” と繰り返してきたけれど、気づけば周りにそんな強い人はいなくて自分だけが取り残されたように感じています。
どんなに強くなっても、いつまでも”強くなれ””強くなれ”と否応なしにやってくるのです。
そして誰かの悲しみに気づけなくなってるのではないかと気づきました。
私は事あるごとに答えを求めますが、返ってきませんでした。
やっと気づいたのは吸収してしまえばいい。すべては私のものに。
そして別の誰かに渡したいと思っています。
まっすぐ歩いて、何事もなかったように微笑んで、
何もなかったことにすればいい。
それでよかったんじゃないかと思うのです。
きっと2度と思い出すこともない。
あんなに占有していた感情なのに、少し自分でも薄情だと思います。
ほら、夏になったら星空を見て、やっぱり時間が経てばどうでもよくなってるって言えるんじゃないかと思います。
この道は違った。
ただそれだけ。
そしてまた間違ったら、また違ったねって笑って、
笑ってほしいと思います。